天明三年の火石噴出と青ヶ島の焼失
どんな伝承か
天明三年二月二十四日、強い北風と雨で神子浦という島唯一の船着場が崩れ、赤い砂が夥しく吹き上げられた。三月九日の夜、丑の刻に大きな地震が八度あり、暫くすると池の沢に大穴があいて火石を吹き上げ出した。小石が村中へ降りかかって火災となり、神主山城は家蔵家財を焼いて拝殿だけが残り、名主七太夫も家と釜屋を焼き、百姓の家二十九軒と堂小屋二十六を合わせ六十一棟が烏有に帰した。人々は桶や戸板を被り、築地の蔭や所々の洞穴に逃げ込んで辛うじて命を全うした。池の近くの小屋にいた者は焼け死んだと報ぜられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。