梶原平三の護持仏を祀る大倉の旧家
どんな伝承か
外海府を歩いた柳田は、大倉の旧家である平三の家に立ち寄った。この家は梶原平三の護持仏と伝える仏像を村に祀り、家には古い武具類も伝えている。大きな門が田の真ん中に立っていて垣根はなく、旅人は田と家とのあいだを通り抜けていく。家の障子はみな清書に使った紙で貼られていて質素な暮らしぶりであったが、初めてこの道を来る島の巡礼たちまで、この家のことをよく知っていたという。
原典より
大倉の平三は此邊での舊家で、梶原平三の護持佛といふのを村に祀り、家には又古い武具類を持 へて居る。—— 定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第2巻』は、柳田国男の紀行と旅の随筆を収めた著作集の一巻である。昭和三年一月の自序に続く「雪国の春」や菅江真澄の日記を読み解く文をはじめ、東北の村々の正月、火と炭、浜の暮らしの見聞、「秋風帖」「東国古道記」、昭和十五年十一月の自序を持つ「豆の葉と太陽」などの紀行を並べる。峠や古道、佐渡・五箇山・熊野などの土地を、住む人の暮らしと信仰から見ようとする文が多い。