合祀社の神職を招く村だけの祭
どんな伝承か
合祀で能ヶ谷の社へ移されたはずの広袴の神明社は、跡地に石の祠を据えて村人だけの祭を続けていた。奇妙なのは、その祭に能ヶ谷の合祀社の世襲神職がわざわざ招かれ、式典を挙げていたことである。両方の祭日が重ならないから成り立つのだが、祝詞をどう読み、どんな心持ちで拝んでいるのか。柳田は皮肉抜きにその真相を知りたいと書いた。諸国の日待では本社の拝殿か頭屋の民家を祭場にする例が多いのに、ここでは寺の不動堂が使われている点も違っていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。