藻を蒲団にして眠る森吉の冬
どんな伝承か
森吉山下の森吉村では、冬の最中に一軒も夜具のある家がなかった。いずれも藁を褥としているのであるが、中には湖上の何藻とかいう水草を採って来てよく乾かし、その中に眠る者もある。至極柔らかで温かいという。亭主は戯れてこれを藻夜着の蒲団と呼んだと、真澄の日記にはある。雪の飽田根に記された山村の暮らしの一節で、こうした些細な見聞を丹念に書き留めるところに、この旅行家の身上があった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。