湯宿の別れの宴とマタギの声
どんな伝承か
真澄が大滝の宿屋に滞在していると、マタギが何人も大きな声で話をしながら門前を通る。その言葉からは彼らの風采までが想像された。四月に入ると村々に農事が始まるので、湯宿の女客たちが酒を飲んで別れの宴を催し、こんな歌をうたっていた。けやく離れとお庭の草こ、うらこは枯れても根こは枯れない。果たして今日でもこれに近い心持ちが歌い継がれているだろうか。懐かしいことだと後の読者は記している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。