戸隠・苗場山の雨後の足跡
どんな伝承か
雪の上でなくとも、足跡の不思議は久しい以前から人々を驚かせていた。信州の戸隠では大雨の後、畑などの土に二三尺の足跡があるのを度々見たといい、越後の苗場山でも雨後に山上へ登れば、長さ一尺余りの足跡を見ることがあると越後野志巻六に書いている。播州揖保郡黒崎の荒神山でも、嘉永の初年とかに或る人がこの辺りを拓いて畑としたところ、一夜のうちに踏み荒らして大きな人の足跡があり、その家は全家が発狂してしまったと西讃府志に見える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。