栄西が宋から持ち帰った衣鉢
どんな伝承か
寿福寺の寺宝である二十五条の麻の袈裟と鉢盂は、どちらも宋から渡ってきた品である。仁安三年に宋へ渡った栄西が、かの地で虚庵禅師から授かった衣鉢で、入宋から二十三年後の建久二年に帰国した栄西は、日本で初めて臨済宗を広めた。持ち帰った衣鉢は京都東福寺の聖一国師に伝えられ、さらに一山国師の手を経て、何代かのちにこの寺の象何禅師のもとに伝わったという。
原典より
「二十五條の麻袈裟」と「鉢孟」とは、共に宋朝渡來のもので、人皇八十代、高倉天皇の仁安三年(皇紀一八二八年)に宋へ渡った榮西禪師が、彼國の虚庵禪師から貰った衣鉢で、…—— 行楽と史蹟の武蔵野(寺島裕・1937年(昭和12年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
行楽と史蹟の武蔵野(寺島裕・1937年(昭和12年))
『行楽と史蹟の武蔵野』は、寺島裕が昭和十二年に著し、新生堂から発行した武蔵野の史跡探訪記である。狭山丘や山口貯水池の周辺から、行田・粕壁・生田・淀橋・中野・柴又・多摩御陵などの社寺、城址、古戦場、塚を歩いて訪ね、交通の便とともに由緒や伝説を記す。小橋一太と新井堯爾の序文、著者の自序を巻頭に置き、前著「史蹟の武蔵野を探ねて」に続く行楽案内として土地ごとの短い節を連ねる。