石油ランプで見た落城の遺物
どんな伝承か
志村国作老の案内で暗い山径を登り、木立をくぐり岩角を踏んで頂上へ出た頃には、あたりはすっかり夜になっていた。本丸跡に鎮座する八王子神社に着くと、東方には八王子市街の灯が浮かび、南の空遠くには箱根の航空灯台がちらちらと明滅していた。社務所で借りた提灯を頼りに闇の台地を一巡した筆者は、ふたたび社務所を訪れ、この山中から掘り出されたという槍の穂先や刀の断片、銃丸、鎖帷子の破片、永楽通宝、馬の歯や骨、化石した兵糧の米麦などを、石油ランプの下で見せてもらった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
行楽と史蹟の武蔵野(寺島裕・昭和初期(1920年代~1930年代))