瀬戸物屋へ飛び込んだ生首
どんな伝承か
文久元年五月二十日、清川八郎は書画の会にかこつけて両国の万八楼で水戸の同志と会し、その帰り道、日本橋甚右衛門町の路上でわざと絡んできた町人を無礼打ちにした。一刀は鋭く、斬られた男の首は棚から転がり落ちた西瓜のように宙を飛んで、真向かいの瀬戸物屋の店先へ飛び込んだ。ぼんやりしていた店員は驚いて腰を抜かしたという。この一件で清川は町奉行の尋ね者となり、逃亡の巻き添えで捕えられた妾のお連は、厳しい拷問にも彼の動静を語らぬまま、翌々年に伝馬町の牢で病死した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
行楽と史蹟の武蔵野(寺島裕・昭和初期(1920年代~1930年代))