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大蛇と化した女に追われた若僧

所在地和歌山県日高郡日高川町大字鐘巻(道成寺)
出典日本の妖怪伝説

どんな伝承か

熊野へ参る老僧と美しい若僧が紀伊国牟婁郡の民家に泊まると、家の主の若い後家が若僧に想いを寄せ、夜更けに寝所へ忍んで夫婦になってほしいと迫った。若僧は帰りに必ず寄ると偽って逃れたが、下向の際は別の道を通った。だまされたと知った女は閨に籠もって怒り死にし、五尋ほどの毒蛇となって街道を追う。二人は道成寺に逃げ込み、若僧は下ろした大鐘の中に隠されたが、蛇は鐘を抱いて焼き尽くし、若僧は灰となった。のち寺の老僧の夢に蛇身の若僧が現れ、毒蛇となった女に犯されて心ならずも夫にされたと嘆いて供養を乞うた。老僧が自ら如来寿量品を書写し、私財を投じて僧たちを招き一日の法会を営むと、再び夢に二人が現れ、女は忉利天に、男は都率天に生まれ替わったと礼を述べたという。

原典より

寺僧たちは、急ぎ水を運んで鐘にかけ浴びせ、ようやく燃えがらを取り除けて見れば、若僧の五体は焼け失せて、骨片一つ残っていない。—— 日本の妖怪伝説(小笠好恵・1966年(昭和41年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本の妖怪伝説(小笠好恵・1966年(昭和41年))

『日本の妖怪伝説』は、小笠好恵が各地に伝わる奇談・怪談を読み物にまとめた伝説集で、序は昭和四十一年五月付である。浅茅が原の一つ家、四谷怪談、九尾の狐、安達が原の黒塚、道成寺、鍋島の化け猫など、岩手から熊本までの四十五話を、伝えられた形をなるべく崩さずに書き直し、おおむね東から西へ並べる。雨月物語や小泉八雲など書物に拠る話のほか近年の体験談も混じり、一部の話の末にはゆかりの寺社へ行く「順路」を付ける。

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