稲越の山手に点々と続く狐火
どんな伝承か
狐火は伝説では狐の泡や涎が光るものだと語り手は言う。国分の側から見ると、向こうの稲越の山手の縁に沿って点々と火が続いていくのが見えた。初めは泥鰌を突くときのかがり火かと思ったが、まるで違うという。普通の火なら周りに光が差すのに、あれは光を放たず、ぼうっとしているだけで薄気味が悪い。どんよりした天気の日に多く、季節は狐に盛りがつく春先が多いのではないかと語られている。
原典より
5 狐の提灯6 立埋め場の怪7 ドブロクの話 (1)〜(4)8 蛇の祟り9 昔の馬鹿嫁10 最近の嫁11 肥料屋の船頭が川へ小便をした話12 兵隊の西瓜泥棒13 「召集せず」の証書—— 市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年))
『市川の伝承民話 第1集』は、市川民話の会が昭和五十五年に編んだ民話の資料集である。市川市教育委員会の事業として昭和五十四年度に千葉県市川市の国分・北国分・行徳・南行徳で行った採訪調査のうち、テープ起こしを終えた語りを、方言も残して話者の息継ぎのままに記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部に分けて地区別に並べ、話末に話者・地区・記録者の名を添える。