正月の白飯を歌う国分の唄
どんな伝承か
国分の石橋つぎが伝えた正月の唄。お正月ってえのはいいもんだ、雪のような飯くって、木淵のような餅くって、油のような酒飲んで、と歌い、最後にもう一度、いいもんだ、と繰り返す。語り手は唄のあとに、白い御飯なんてめったに食べられなかった、ふだんは麦の入った御飯だったからね、と付け加えた。今の人にはこの唄が何を歌っているのか分からないだろう、とも言っている。ふだんの食が乏しかったからこそ、正月の白飯と餅と酒がまぶしく見えたことのわかる唄である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年))
『市川の伝承民話 第1集』は、市川民話の会が昭和五十五年に編んだ民話の資料集である。市川市教育委員会の事業として昭和五十四年度に千葉県市川市の国分・北国分・行徳・南行徳で行った採訪調査のうち、テープ起こしを終えた語りを、方言も残して話者の息継ぎのままに記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部に分けて地区別に並べ、話末に話者・地区・記録者の名を添える。