御神体を背負って帰るおびしゃの宿
どんな伝承か
昔は一月二十四日のおびしゃの宿は大変なもので、何軒かが順に回り持ちで務め、今年はどこからどこまでと決まっていた。「おびしゃ様」という板のような御神体があり、四軒が宿になる場合は一番手前の家がそれを貰い受けて一年間預かる。それを帯紐でおぶい、ねんねこ半纏を掛けて帰ってきたという。神様に風邪をひかせてはいけないという心づかいだろうと語られる。厄病が入らないよう村の四つ角に竹へ板を付け、神主の書いた札を下げて回るのは、国府台で大蛇を用いて行う辻切りと同じようなものだという。北国分の蒲田よしが語った。
原典より
昔は一月二十四日のおびしゃの宿っていうと、大変でしたね。—— 市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年))
『市川の伝承民話 第1集』は、市川民話の会が昭和五十五年に編んだ民話の資料集である。市川市教育委員会の事業として昭和五十四年度に千葉県市川市の国分・北国分・行徳・南行徳で行った採訪調査のうち、テープ起こしを終えた語りを、方言も残して話者の息継ぎのままに記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部に分けて地区別に並べ、話末に話者・地区・記録者の名を添える。