祭りのはぜを狙われ行徳橋で回された父
どんな伝承か
十月の祭り迎えの夜、高谷の親戚を訪ねた語り手の父は、土産にもらったはぜを自転車に結わえて帰る途中、行徳橋を渡ったつもりが逆戻りして高谷の海っぺりに出てしまった。ぴしゃぴしゃと水音がするので煙草に火をつけると、自分は岸壁に腰掛けていたという。土産のはぜを包んだ新聞はぼろぼろになっており、家に着いたのは二時、体はくたくたに疲れていたと語られる。
原典より
「泣くと、狐来るぞ!ムジナ来るぞ」なんてね、お爺さんから聞いた事ありますよ。—— 市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年))
『市川の伝承民話 第2集』は、市川民話の会が昭和五十六年に発行した民話資料集である。千葉県市川市の曽谷・宮久保・下貝塚と行徳の古老から聞き取った、狐や狢に化かされた話、火の玉、伝説、昔話、唄、暮らしの禁忌や苦労話を、方言を残した語り口のまま記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部を地区別に並べて各話の末に話者と記録者を記し、巻末に語り手の紹介、話者と採訪者の名簿、採訪記、あとがきを付す。