どぶっ田 3
どんな伝承か
曽谷七丁目、曽谷小学校のそばの田は深い泥田だった。立って入るとずぶずぶ沈むので、坐った形で田植えをした。大街道(大海道)の爺さんは、どぶっ田では股引を履くと足を取られるといい、褌一つで歩くので有名だった。どぶっ田は日照りの年の方がよく穫れた。畦に乗って揺すると田全体が動く。あまり深いので所々に竹や木を埋めてあり、そこへ乗ると助かったという心地がした。臍より上まで泥に浸かると力が入らず、身動きが取れなかったという。
原典より
曽谷七丁目(曽谷小のそば)の田んぼは深いどろっ田でしたよ。—— 市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年))
『市川の伝承民話 第2集』は、市川民話の会が昭和五十六年に発行した民話資料集である。千葉県市川市の曽谷・宮久保・下貝塚と行徳の古老から聞き取った、狐や狢に化かされた話、火の玉、伝説、昔話、唄、暮らしの禁忌や苦労話を、方言を残した語り口のまま記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部を地区別に並べて各話の末に話者と記録者を記し、巻末に語り手の紹介、話者と採訪者の名簿、採訪記、あとがきを付す。