溶岩に沈んだ村から泳いで来る死者
どんな伝承か
五年生のときの担任は怪談好きで、林間学校で泊まった西湖の民宿村で怖い話をしてくれたという。西湖と精進湖はもとは一つの湖だったが、富士山の噴火で流れた溶岩によって二つに分かれた。先生によれば、湖の向こう側にあった村が溶岩に押しつぶされ、助かった人々が反対側に移って民宿村を開いたのだという。そしてお盆になると、村があった所から死んだ人たちが泳いでやって来ると語って子どもたちを怖がらせた。先生は、鯨が目の前で潮を吹いたと語った末に夢だったと落とす話などでも小学生を喜ばせたと、話者は懐かしむ。
原典より
7 学校は老人ホーム国分高校演劇部OB会1 学校は老人ホーム2 国分高校の怪談3 劇場調光室の幽霊4 NHKホールの幽霊5 人面犬6 口裂け女7 こっくりさん・ほか—— 市川の伝承民話 第6集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1998年(平成10年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第6集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1998年(平成10年))
『市川の伝承民話 第6集』は、市川民話の会が調査・編集し、市川市教育委員会が平成十年に発行した民話資料集である。昭和六十三年度から平成四年度にかけて市川市の下貝塚・八幡・平田・本行徳・香取などで聞き取った世間話・伝説・昔話・唄・年中行事・生活譚を、話者の語りに忠実に記録している。各話に話者と記録者を添え、新たに「現代若者の学校話」の部を設けて口裂け女や学校の七不思議などの怪談も収め、話者名簿・採訪者名簿・あとがきを付ける。