美女に誘われ肥溜めで湯あみ
どんな伝承か
田んぼの端を歩いていた男が、ものすごくきれいな女に「お兄さん、ちょっと寄ってらっしゃいよ」と誘われ、誰も見ていないから話でもしてみようと寄って行ったところ、変な草むらへ引っ張られて、その先が分からなくなった。気がつくと、便所から汲んだ肥やしを埋けた大きな樽の中に入り、「いい湯だ、いい湯だ」と言っていたという。通りかかった人に「おめえ何をやってんだ、うんこ樽の中じゃねえか」と言われて引き上げられ、川へ飛び込んで洗ってもらったが、臭くて臭くてどうにもならず家へは帰れなかった。二時間以上も入っていたのだろうと語られた。
原典より
II 伝説下貝塚1 オヤボッケ2 ワダのサガ(1)~(2)3 小田山を通った里見の落ち武者4 番神さま5 コンコンさま(1)~(2)宮久保1 袖掛け松—— 市川の伝承民話 第6集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1998年(平成10年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第6集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1998年(平成10年))
『市川の伝承民話 第6集』は、市川民話の会が調査・編集し、市川市教育委員会が平成十年に発行した民話資料集である。昭和六十三年度から平成四年度にかけて市川市の下貝塚・八幡・平田・本行徳・香取などで聞き取った世間話・伝説・昔話・唄・年中行事・生活譚を、話者の語りに忠実に記録している。各話に話者と記録者を添え、新たに「現代若者の学校話」の部を設けて口裂け女や学校の七不思議などの怪談も収め、話者名簿・採訪者名簿・あとがきを付ける。