肥舟が上った昔の大柏川
どんな伝承か
語り手が子どものころの大柏川は、川幅が三メートルほどしかなく、人糞の肥料を積んだ舟を二、三艘つないで、三人がかりでロープで引き上げていた。水は澄んで大きな鯰や鯉が泳ぎ、子どもたちはそこで泳いだ。大雨が降ると川があふれ、小学校の中村英五郎先生が自転車で帰る途中、道と川の見分けがつかず川へ飛び込んだという話もよく聞いた。正月の餅つきを終えた朝には網で鯉を捕ってごちそうにし、夕方に鰻ばりを仕掛けて明け方に上げたが、青大将がかかって以来やめたという。今の川魚は臭くて食べられないと嘆く。
原典より
――大柏川の話を聞かせて下さい。—— 市川の伝承民話 第7集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1999年(平成11年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第7集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1999年(平成11年))
『市川の伝承民話 第7集』は、市川民話の会が調査・編集し、市川市教育委員会が平成十一年に発行した民話資料集である。平成四年度から六年度にかけて市川市の柏井・須和田・宮久保・原木・稲荷木と国分高校ほかで行った採訪の聞き書きを、話者の息継ぎや方言を残したまま収める。世間話・伝説・昔話・唄と諺・年中行事・生活譚・現代若者の学校話の七部に分け、巻末に話者紹介と会員の採訪記、あとがきを付す。