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着物に現れた犬神の姿

所在地徳島県阿南市新野町
出典徳島の研究 第6巻 (方言・民俗篇)

どんな伝承か

阿南市新野町のある神職が、同じ市の福井から犬神落しの祈祷を頼まれた。神職は社殿に犬神に憑かれた人の着物を置き、午前二時半ごろからその前で祈り続けた。三十分ほどすると、着物の上に、顔は人で尾は犬という犬神の姿がはっきり浮かび上がり、神職めがけて飛びかかってきた。手にしていた笏で打つと姿はかき消えた。ちょうど午前三時ごろのことで、そのとき犬神持の女が急死し、憑いていた犬神も落ちたという。

原典より

すると半時間位してその着物にはっきり顔は人間、尾は犬の形をした犬神が現われ、神職にむかって飛びかかって来た。—— 徳島の研究 第6巻 (方言・民俗篇)(徳島の研究) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

徳島の研究 第6巻 (方言・民俗篇)(徳島の研究)

『徳島の研究 第6巻 (方言・民俗篇)』は、徳島をめぐる研究叢書『徳島の研究』の方言・民俗篇の巻で、阿波の犬神を論じた一篇を収める。狸やトウビョウと並ぶ阿波の憑きものとしての犬神について、起源の伝説、正体とされる小犬や鼠、犬神筋の分布と女系の継承、憑依の動機と症状、祈祷による犬神落しを、筆者の聞き書きと室町期の下知状、郡誌や『阿波民俗』などから述べる。七節に分け、昭和期の犬神をめぐる事件と迷信打破の道で結び、末尾に参考文献の註を掲げる。

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