大桶の堰の耳ある鰻
どんな伝承か
市原市大桶の大桶の堰は、そのほとりで大声を出すと水が湧き出すといわれ、水源の知れない不思議な堰である。乳の出ない母親は、ここの水を乳水と呼んで願をかけた。堰の主は耳の生えた鰻だと伝えられる。同じ市内、旧内田村のある家の井戸がこの堰に通じているといい、その井戸はふだん使うものの、正月の決まった日だけはのぞかない。耳のある鰻を見た者は死ぬとされるからである。富津市障子谷の虚空蔵堂の井戸にも同じ鰻がいて、同市上のある家の井戸との間を行き来するといわれ、その家では鰻を口にしないという。
原典より
市原市大桶にある大桶の堰は、そのほとりで大声をあげると水が湧き出すといい、水源のわからない不思議な堰であるが、乳が出ない母親はここの水を乳水と称してこれに願をかけたりした。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
平野馨編『房総の伝説』を全245話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。