青木の芋井戸と房総の弘法伝説
どんな伝承か
安房郡白浜町青木(現在の南房総市)にある芋井戸は、因果応報を説いた弘法大師の教えをしのばせる伝説の地である。弘法大師にまつわる伝説地は全国に数多いが、房総にも比較的多く残っている。館山市神余の塩井戸や、香取郡多古町井戸山の石芋堂などが、その類例の代表として挙げられる。また、房総では弘法大師にゆかりの深い真言宗の寺院がほかの宗派より多く、千二百二十五か寺にのぼるという。著者は、この数の多さが房総に弘法伝説が多く生まれた背景として考えさせられると記している。
原典より
因果応報を説き、真言宗を開いた弘法大師の教化をしのばせる伝説地である。—— 房総の年輪 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の年輪
『房総の年輪』は、房総各地の伝説・昔話・信仰の伝承地を一項ずつ取り上げた短い文章を集めたもので、著者と刊行の事情は原典に記されていない。香取の要石や真間の手古奈堂、松虫姫、源頼朝や義経の伝説地、沈鐘伝説、椀貸伝説、河童や天狗、海の怪異「もうれん」などを、『譚海』『上総国誌稿』や市町村の民話集を引きながら所在地とともに記す。各項は読み切りの小文で、昭和四十五年と四十七年の年頭に書かれた項を含む。