河童が届けた金の出るつぼ
どんな伝承か
養老川の流れる市原市村上に、源左衛門という働き者の百姓が河童と出会って幸運をつかんだという言い伝えがある。ある夏、七、八歳ほどのおかっぱ頭をした風変わりな子どもが畑に現れ、キュウリが大好物だからくれ、礼に宝のつぼをやるとしつこくねだった。源左衛門が投げてやると、子どもは喜んで姿を消した。その夜、河童は、種銭さえ残しておけばいくらでも金の出るつぼを、そっと家へ届けたという。以後の暮らしはこのつぼに助けられ、戦後までつぼは残っていたと伝わる。
原典より
養老川流域の市原市村上に、むかし、働き者だった源左衛門という百姓がいて、河童と対面ししあわせをつかんだという伝えがある。—— 房総の年輪 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の年輪
『房総の年輪』は、房総各地の伝説・昔話・信仰の伝承地を一項ずつ取り上げた短い文章を集めたもので、著者と刊行の事情は原典に記されていない。香取の要石や真間の手古奈堂、松虫姫、源頼朝や義経の伝説地、沈鐘伝説、椀貸伝説、河童や天狗、海の怪異「もうれん」などを、『譚海』『上総国誌稿』や市町村の民話集を引きながら所在地とともに記す。各項は読み切りの小文で、昭和四十五年と四十七年の年頭に書かれた項を含む。