乙姫の産屋を建てた五職人
どんな伝承か
市原市加茂に伝わる浦島太郎の昔話は少し変わっている。浦島は竜宮で乙姫と夫婦になったが、地上へ帰って老人になった。残された乙姫は身ごもったものの、竜宮では子が産めないため陸へ上がり、急いで産屋を建てた。基礎を築いたのが土方、土台と石を運んだのが石屋、材木をひいたのは木びき、家を組んだのが大工、屋根をふいたのは屋根屋で、鵜の羽を並べてふいた。ふき終わらぬうちに子が生まれたのでウガヤフキアエズの命と名のらせ、以後この五職人を後世まで厚く遇するようになったという。
原典より
市原市加茂に伝承された浦島太郎の昔話は興味深いものがある。—— 房総の年輪 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の年輪
『房総の年輪』は、房総各地の伝説・昔話・信仰の伝承地を一項ずつ取り上げた短い文章を集めたもので、著者と刊行の事情は原典に記されていない。香取の要石や真間の手古奈堂、松虫姫、源頼朝や義経の伝説地、沈鐘伝説、椀貸伝説、河童や天狗、海の怪異「もうれん」などを、『譚海』『上総国誌稿』や市町村の民話集を引きながら所在地とともに記す。各項は読み切りの小文で、昭和四十五年と四十七年の年頭に書かれた項を含む。