姿を消したお岩と田宮家の祟り
どんな伝承か
左門町のあたりに御先手同心の田宮伊織という貧しい武士が住み、痘瘡で片目を失った娘お岩がいた。婿の来手がないまま伊織は病み、同役の媒酌で浪人を養子に迎える。浪人は田宮伊右衛門と名乗ったが、隣家の与力伊東喜兵衛の妾ことに心を移し、お岩を追い出そうと悪辣な仕打ちを重ねた。お岩は番町へ女中奉公に出るが、行商人から家の様子を聞かされ、狂乱して西へ走り、そのまま姿を消した。以後、この一件に関わった十八人が変死や家の断絶に見舞われる。菩提寺の妙行寺で供養し、屋敷跡に稲荷を祀ると祟りは収まったという。
原典より
時代 江戸時代 貞享(一六八四——八七)のころこのあたりに、徳川家の御家人(御先手同心) 田宮伊織という貧しい下級の武士が住み、一人娘のお岩がいた。—— 新宿と伝説(新宿区教育委員会) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新宿と伝説(新宿区教育委員会)
新宿区教育委員会編『新宿と伝説』を全62話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。