三度頭を下げた白狐と雷電の社
どんな伝承か
応徳三年、源義家が後三年の役で奥州へ向かう途中のことである。ものすごい雷雨に遭い、ようやく雨をしのいでここで休んでいると、どこからか白い狐が一匹現れて義家の前に進み、三度頭を下げた。すると激しかった雷鳴はぴたりとやみ、空は晴れわたったという。それから里の人々は、この社を雷電神社と呼ぶようになった。社は昭和三年四月に三光町の花園神社へ合わせ祀られたが、もとの地には今も小さな社が建っている。
原典より
場所 新宿四丁目一番地 雷電稲荷神社時代 平安時代応徳三年(一〇八六)源義家が、後三年の役で奥州に向う途中である。—— 新宿と伝説(新宿区教育委員会・1969年(昭和44年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新宿と伝説(新宿区教育委員会・1969年(昭和44年))
『新宿と伝説』は、新宿区教育委員会が昭和四十四年に編んだ区内の伝説集である。カッパが出る坂、四谷怪談のお岩、矢来町の化け石、女幽霊が掘った清水など、牛込・四谷・戸塚大久保・新宿・淀橋柏木落合の各地に伝わる六十二の伝説を、江戸の地誌や随筆などから採って収める。第一章で伝説の分布と型を概説し、第二章では地域別に、各話へ場所・時代・出典・解説・参考書を添える。