田代池
どんな伝承か
田代村と西畑(ともに現大多喜町)との境の深谷から湧き出る水は、流れに従って瀑布となる。高さ七十尺、幅九十咫、その水は一帯となって平地へ流れる。往時ここには蛟龍と大蛇がいて深淵に棲んでいたが、逃れて山室へ移り住み、瀑布の両岸の岩石高くそびえるあたりに門を造って棲んでいた。深谷の淵、滝の下に蛟龍が現れて舟のように見せ、忽然として姿を変え、深谷の上へ飛び去り、また時としては蛇となって水の上を走った。土地の人が恐れてその滝の門に石を投げ込んだので、滝の主は驚いて去り、再び山室へ移って行った。深谷の主は今なお山室に潜んでいるという説を伝えている。
原典より
田代村(現大多喜町)と、西畑(現大多喜町)との境の深谷から湧き出するところの滝は、其の流れに従つて瀑布となる。—— 日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・明治~昭和初期(推定)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・明治~昭和初期(推定))
藤沢衛彦編『日本伝説叢書 上総の巻』を全218話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。