コレラを退散させた椎木唄
どんな伝承か
安政年間にコレラが流行したとき、古沢の人々は「おめでたァおめでた、病はがってんだ」という椎木唄を集まって唱えた。これは疫病退散の唄だという。古沢村の古刹妙蔵寺の住僧が日蓮宗の法華経の功徳をもって祈ったところ、榎沢を中心に猛威をふるっていた悪疫がたちまち退散し、患者がことごとく平癒したので、里人がそのお礼として集まって歌い始めたのだと「房総志料続編」に伝わる。
原典より
安政年間、コレラ流行の時、古沢の人達が、おめでたアおめでた、病はがつてんだ。—— 日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年))
『日本伝説叢書 上総の巻』は、藤沢衛彦が大正六年に編んだ上総国の伝説集である。夷隅・長生・山武・市原・君津の五郡にわたり、地名の由来、社寺の縁起、城と武将の事跡、大蛇や狐つきの怪異、俚謡や民間の風俗を、口碑や『総国誌』などの地誌から集める。巻頭に著者の序と緒言を置き、上総国と郡の名義を説いたのち、郡ごとに町村の所在を添えた見出しで一話ずつ並べる。