忌蘿蔔
どんな伝承か
神置(旧千町村)一帯の地では、大根を植えることを忌んでいる。昔、承和年間に筑紫からこの地へ流されてきた人が、「自分は昔の王族の孫であるが、自分の家はかつて大根に助けられたことがあるので、助けてくれた大根は、自分のいる土地では決して食べない」と誓って、家門で大根を忌み、他に与えることもしなかった。やがて里人に信頼されて郷の里正となり、初めは親族だけで大根を植えることを禁じていたものが、ついに一村全体の習わしとなった。一説に、隣村の佐坪の区も忌家として大根を植えず、路傍に自生していても採らない。かつて戦に敗れたとき大根の根で足を突いたためだという。
原典より
神置(旧千町村)一帯の地では、大根を植えることを忌んでゐる。—— 日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・明治~昭和初期(推定)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・明治~昭和初期(推定))
藤沢衛彦編『日本伝説叢書 上総の巻』を全218話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。