溺れた娘の碑が立つ千葉寺前の綿打ヶ池
どんな伝承か
千葉寺の前方三町ほどの地に、三方を崖に囲まれた深い池、綿打ヶ池がある。池の側には安世院の碑のほか、「女子共没地水瀕享和元年己巳五月六日」と刻んだ石があり、綿打の女が溺死した霊を祀るものという。徳川幕府の頃、この池のそばで綿を商った鶴屋兵衛が地蔵尊を安置し天明の碑を移したことから、人々は綿打の池と呼び習わすようになったと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 下総の巻(藤澤衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))
『日本伝説叢書 下総の巻』は、藤澤衛彦が編著し、大正七年の緒言と大正八年の序を添えた下総国の伝説集である。平将門・佐倉宗吾・真間の手児奈・累などを中心に、千葉県と茨城県西部にまたがる旧下総の城跡・寺社・墓・橋・井戸などにまつわる伝説を、地誌や古記録の引用を交えて収める。緒言で百七十九編を収めると述べ、国名の由来から始めて、話ごとに所在の町村名を付した見出しを立てて並べる。