玉蜀黍を作って子を失った香坂家の禁忌
どんな伝承か
船穂村武西の香坂氏の家では、氏神の宗像神社が忌むというので胡麻を作らない。ほかの家では作る。香坂氏の分家に当たる家では胡麻は作るが玉蜀黍を作らず、作ると家に不吉なことがあるという。香坂氏は武家をやめてこの村に帰農した家で、先祖がもう大丈夫だろうと裏の畑に玉蜀黍を作ったところ、収穫のときに子供が急病で死んだ。先祖はひどく驚いたが取り返しがつかず、誰にも話さないでいたが、二十年あまり経ってからようやく香坂氏にその話を聞かせたと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 下総の巻(藤澤衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))
『日本伝説叢書 下総の巻』は、藤澤衛彦が編著し、大正七年の緒言と大正八年の序を添えた下総国の伝説集である。平将門・佐倉宗吾・真間の手児奈・累などを中心に、千葉県と茨城県西部にまたがる旧下総の城跡・寺社・墓・橋・井戸などにまつわる伝説を、地誌や古記録の引用を交えて収める。緒言で百七十九編を収めると述べ、国名の由来から始めて、話ごとに所在の町村名を付した見出しを立てて並べる。