日蓮一字石
どんな伝承か
安房郡吉尾村大字細野に、日蓮一字石経塚というものがある。この塚の石を採って水に浸すと、南無妙法蓮華経の一字が隠然と現れて見えるという。「安房志」には、この石はみだりに取り去ることを禁じ、囲いをしてあると見える。この地は安房から細野を経て北の江見へ通じる道にあたり、日蓮もこの道から清澄へ登ったと「房総志料」は伝えている。一字石とは、聖人が父母の菩提のために南無妙法蓮華経の七字を記した、その一字が自ら彫られたかのように石に残ったものだといわれ、甲斐国身延山で言われるものと同じであるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 安房の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・江戸~明治時代)
藤沢衛彦編『日本伝説叢書 安房の巻』を全186話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。