トップ > 千葉県の伝承 > 南房総市

黒滝の奥に隠れた里見義豊の側室

所在地千葉県南房総市和田町花園(黒滝)
年代天文三年
登場倉子、五十蔵、重房、里見義豊、倉子の主君・戦いに敗れて自害
出典日本伝説叢書 安房の巻

どんな伝承か

天文三年四月六日の戦いに敗れた里見義豊が自害したのち、正室らも後を追ったが、側室の倉子だけは懐妊していたため乳母の五十蔵に伴われて逃れ、夜通し深山をさまよって長狭と丸の境の滝にたどり着いた。夜が明けて通りかかった樵に土地の名を尋ねると、するす・黒滝・磑の森だと道筋まで教えてくれた。二人は細道をたどって和田町花園の山中に茅屋を見つけ、主君の七回忌までの仮の宿として隠れ住み、寂しさを歌に詠み交わした。やがて倉子は男子を産んだが産後の肥立ちが悪く、辞世を残して世を去った。子は重房と名づけられ、五十蔵の養子として育ち、里見氏が勢いを取り戻すと召し出されて重用されたという。

地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説叢書 安房の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))

『日本伝説叢書 安房の巻』は、藤沢衛彦が大正八年に編んだ安房国(千葉県)の伝説集である。天富命の渡来や源頼朝・里見氏・日蓮にまつわる英雄伝説を中心に、社寺の縁起、風俗・信仰、船幽霊や一本足の蛸などの特異な伝承を、『安房志』『房総志料』などの地誌や寺伝・口碑から引いて収める。緒言と「安房国と牛」と題する序を巻頭に置き、鋸山から小湊まで各話に所在の郡村大字を添えて土地ごとに並べ、緒言では百八十六種を蒐集したと記す。

種別から探す

里見義豊隠棲辞世乳母

南房総市の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『日本伝説叢書 安房の巻』の伝承