日蓮を守り討死した忠吾と忠内の墓
どんな伝承か
安房郡天津町大字浜荻の多門寺(日蓮宗)の境内に、忠吾・忠内の墓というものがある。昔、日蓮上人が東條景信のために小松原の難、すなわち文永元年十一月十一日の襲撃に遭った際、この両人は力を極めて防ぎ、聖人を助け奉って、その身はその地で討死したという。墓石は、多門寺の四世日静上人が両人の忠死に感じて建てた顕彰碑であると、寺伝に伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 安房の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))
『日本伝説叢書 安房の巻』は、藤沢衛彦が大正八年に編んだ安房国(千葉県)の伝説集である。天富命の渡来や源頼朝・里見氏・日蓮にまつわる英雄伝説を中心に、社寺の縁起、風俗・信仰、船幽霊や一本足の蛸などの特異な伝承を、『安房志』『房総志料』などの地誌や寺伝・口碑から引いて収める。緒言と「安房国と牛」と題する序を巻頭に置き、鋸山から小湊まで各話に所在の郡村大字を添えて土地ごとに並べ、緒言では百八十六種を蒐集したと記す。