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日蓮が三十六日疵を養った岩窟

所在地千葉県鴨川市小湊(日蓮寺)
年代文永元年
登場日蓮、日工、日行、日蓮に同行した弟子
出典日本伝説叢書 安房の巻

どんな伝承か

安房と上総の境である市ヶ坂を安房の方へ下ったところに、巌高山日蓮寺という寺がある。文永元年十一月十一日、日蓮は小松原の難を逃れ、日工・日行らとともにその場を立ち去り、その後この地の山中の岩窟に身を隠して、三十六日のあいだ眉間の傷の養生をしたと伝わる。そのためこの岩窟は疵養生の窟と称されるようになった。窟は日蓮寺の堂の外の山腹にあり、その中に安置された日蓮の像は、日蓮自身の作といわれている。なお近くには、小松原の難のときに眉間の傷を洗ったという疵洗井があり、その霊水は万病に効くと言い伝えられている。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説叢書 安房の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))

『日本伝説叢書 安房の巻』は、藤沢衛彦が大正八年に編んだ安房国(千葉県)の伝説集である。天富命の渡来や源頼朝・里見氏・日蓮にまつわる英雄伝説を中心に、社寺の縁起、風俗・信仰、船幽霊や一本足の蛸などの特異な伝承を、『安房志』『房総志料』などの地誌や寺伝・口碑から引いて収める。緒言と「安房国と牛」と題する序を巻頭に置き、鋸山から小湊まで各話に所在の郡村大字を添えて土地ごとに並べ、緒言では百八十六種を蒐集したと記す。

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