日蓮疵養生の窟
どんな伝承か
安房と上総の境である市ヶ坂を安房の方へ下ったところに、巌高山日蓮寺という寺がある。文永元年十一月十一日、日蓮は小松原の難を逃れ、日工・日行らとともにその場を立ち去り、その後この地の山中の岩窟に身を隠して、三十六日のあいだ眉間の傷の養生をしたと伝わる。そのためこの岩窟は疵養生の窟と称されるようになった。窟は日蓮寺の堂の外の山腹にあり、その中に安置された日蓮の像は、日蓮自身の作といわれている。なお近くには、小松原の難のときに眉間の傷を洗ったという疵洗井があり、その霊水は万病に効くと言い伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 安房の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・江戸~明治時代)
藤沢衛彦編『日本伝説叢書 安房の巻』を全186話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。