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夕暮れの裏山を下りてきた赤顔の大男

所在地長野県松本市
年代現代
登場—
出典現代民話考 1 河童・天狗・神かくし

どんな伝承か

長野県松本市でのこと。ある夕暮れ、裏山に通じる細い道をとぼとぼと登っていくと、白い衣を風になびかせ、槍のような物を杖にして山から下りてくる大きな人物を見かけた。侍だろうかと思ったが、近づくにつれ、黒く長いひげをたくわえた恐ろしい赤ら顔で、異様な黒いかぶり物をかぶり、蜂のうなりのような声で何か話しているのがわかった。「これは天狗様に違いない」と思うと、その目はぴかりと光り、鼻は高く突き出て見え、その場に立ちすくんで道端の草の中に身を隠した。恐ろしいものの影が山の下の方へ消えてから、転げるようにして家へ逃げ帰ったという。三十余年前のことだが、今考えてもあれは天狗様だったに違いないと語っている。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)

『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。

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