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猪追い小屋で狼と格闘したシロエム

所在地長野県伊那市長谷杉島
年代現代
登場四郎衛門、体験者
出典現代民話考 10 狼・山犬、猫

どんな伝承か

九〇年ほど前のこと、三峰川谷の杉島に四郎衛門――普通はシロエムと発音する――という人がいた。秋の夜、シシ追い小屋で「ホーイ、ホーイ」と呼ばわって猪を追っていると、その声を聞きつけて現れた狼に襲われ、傷を受けた。悲鳴を聞いた隣の猪小屋の、杉島の新屋の主人が救援に駆けつけ、狼の口めがけて自分の腕をぐっと差しこみ、ひるむところをシロエムが撲殺した。シロエムの頭には大乱闘を物語る傷あとが長く残り、通ると子供たちが指さして感嘆したが、その後狂犬病が出なかったので狂犬ではなかったと分かったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考)

『現代民話考 10 狼・山犬、猫』は、松谷みよ子が日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞き書きで全国から集めた話を編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、狼への畏れと信仰、送り狼や千匹狼、化け猫や猫の踊り、戦中の猫の供出、水洗トイレを使う猫までを収める。序文と各章の前文に続いて「狼・山犬」「猫」の二章を主題別の節に分け、各話例の後に類話の採集地・話者・出典を「分布」として並べる。

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