島の松林で出会った見慣れぬ娘
どんな伝承か
数年前、網地の区長某が海を隔てた対岸の鮎川の寄り合いに出席した。会が終わって酒の酔いでいい気持ちになり、深夜に船で長渡の浜へ帰り、伯父の岩淵という家に立ち寄ってもう一杯重ねてから、迎えの馬で家路についた。島を縦断する街道を馬に揺られて松林まで来ると、この島では見慣れぬ若い娘に出会った。酔っていた区長は馬から下りて娘に話しかけたが、夜更けに独り歩く娘は怖がる様子もない。区長はすっかり上機嫌になり、娘と手を取り合って歩き出したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代推定)
松谷みよ子『現代民話考 10 狼・山犬、猫』を小話単位で全541話収録。狼・山犬・猫にまつわる現代の民話・怪異譚(送り狼・化け猫など)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明535話・市区町村判明490話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。