田代島の猫に憑かれて消えた娘
どんな伝承か
田代の島には昔から猫がいて、鉄砲を持ったり犬を連れたりして渡ると怪我をするとされ、魚が獲れると猫神に供えたという。その部落のお春という美しい女が、畑で働いていたとき誰かに引かれるように手を振り、助けを求めながら山へ入ってそれきり姿を消した。警防団まで出て三日四日と村中で捜し、山の畑の隅に掛かっていた米俵を開けてみると、猫のようになったお春が眠っていた。近くの家から御飯を盗んで食べ、無我夢中で過ごしていたという。連れ帰って拝んでもらうと元の人に戻った。田代の猫が憑いたのだろうと語られた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代推定)
松谷みよ子『現代民話考 10 狼・山犬、猫』を小話単位で全541話収録。狼・山犬・猫にまつわる現代の民話・怪異譚(送り狼・化け猫など)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明535話・市区町村判明490話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。