ポラロイドに写った中古車の中年男
どんな伝承か
京都府の回答者が弟から聞いた、一九八五年頃の話。中古の外車を売る弟のもとへ、売って二、三か月もすると、お化けが出るから引き取れと言ってくる車があった。弟は客の言いがかりと思い、自分でも何度も乗ったが何事もなかった。ある日、同業の友人の店にその車が並んでいた。友人が客に見せるためポラロイドで撮ると、無人の運転席に小太りの中年男がくっきり写っていた。やがて店に車が飛び込み、そこは例の車のすぐ隣だった。回答者の雑誌で知った寺の霊能者は、複数の動物霊、つまり狸の霊が憑いていると告げた。展示場は金閣寺近くの衣笠山のふもとにあった。
原典より
回答者・納所とい子(東京都在住)。—— 現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。