事故死の日だけぶれた写真
どんな伝承か
昭和六十三年十二月二十五日、七十七歳の老人が老人会の旅行から帰り、土産を友人に届けようとして青梅街道を横断しようとし、車にはねられて即死した。この人はポラロイドカメラを愛用しており、その日も気に入った相手を撮ってはその場で写真を渡していた。ふだんは手ぶれなど一度もないのに、当日撮った写真だけはほとんどがぶれていたという。書き送った回答者は民生委員で、この老人を独居の担当としていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。