念仏講の夜の夢に立った向かいのじさ
どんな伝承か
おら前の家のじさの話だが、七、八年前の十一月のころ、天気のよい日であった。上方のかえの家というところへ、夜、三十三年の念仏講に行った。そこの家の兄ちゃんが戦死したので、その念仏に行ったのである。念仏が終わって夕飯を食べ、その家の仏壇の前で眠ったが、十一時頃だったと思う。夢だけれども、向こうから私の方へ人がくる。これは戦死した兄さが、今日は三十三年忌だというので、こういう夢を見させたのだと思っていた。次の朝九時ころ家へ帰ると、前の家のかあちゃんが、おらじさ死んだ、湯の中へ入って死んだと言う。行ってみると、寝かせてあったが、まだ頭が暖かかった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。