担架で運ばれる隣人の夫の夢
どんな伝承か
昭和四十九年十月ごろ、北九州市。同じアパートで家族ぐるみの付き合いをする友人の夫が、会社の同僚たちの担ぐ担架に乗せられ、階段を上り廊下を渡って自分の玄関に入る夢を見た。夢がよく当たると知られたくなかったので秘密にしていた。ところが二カ月後、その夫はアパートの近くまで帰りついたところで交通事故に遭い亡くなり、夢で見た通りの悲しい光景を再び見ることになった。申し訳なさに身がすくんだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。