如法堂で見た病床の友との夢
どんな伝承か
山形県天童市での話。昭和十五年一月のこと、新関白黎はかねて鈴立山の若松観音を深く信仰し、毎年多くの日を若松寺住職里見教田のもとで過ごしていた。とりわけ旧大晦日から元旦にかけての追儺会と、それに続く半月ほどの滞在を欠かしたことがなかった。その年、如法堂にいた白黎は、歌人結城哀草果の次男勝也と会話をする夢を見た。当時勝也は病床にあったので白黎はすぐ安否を尋ねたが、間もなく勝也は逝去した。白黎は霊の交遊は観音の力によるものと信じ、病中日記には観音と知友への感謝が書かれない日はなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。