如法堂で見た病床の友との夢
どんな伝承か
山形県天童市での話。昭和十五年一月のこと、新関白黎はかねて鈴立山の若松観音を深く信仰し、毎年多くの日を若松寺住職里見教田のもとで過ごしていた。とりわけ旧大晦日から元旦にかけての追儺会と、それに続く半月ほどの滞在を欠かしたことがなかった。その年、如法堂にいた白黎は、歌人結城哀草果の次男勝也と会話をする夢を見た。当時勝也は病床にあったので白黎はすぐ安否を尋ねたが、間もなく勝也は逝去した。白黎は霊の交遊は観音の力によるものと信じ、病中日記には観音と知友への感謝が書かれない日はなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。