「つとむを頼む」と三度告げた友の夢
どんな伝承か
大阪府泉北郡忠岡町忠岡での話。語り手は独身時代、大阪市内のある会社に勤めていた。ある朝方、夢を見た。入院中だった同じ会社の親しい友人Y子さんが夢に現れ、「つとむを頼む」と言う。つとむちゃんは当時三、四歳で、Y子さんの一人息子であった。目が覚め、うとうとと眠るとまた現れて同じ事を言う。続けて三回同じ夢を見たので、その日は会社へ出ても気分が悪かった。すると昼頃、Y子さんが亡くなったという知らせが会社に入った。慌ててY子さんの家へ行くと、他に身内の人がいるのに、つとむちゃんが「姉ちゃん」と言って語り手のところへ飛んで来た。語り手は葬式がすんで落ち着くまで、家へ帰らずつとむちゃんの面倒をみたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。