二十一日目に鈴の音が絶えた入定者
どんな伝承か
前橋市下長磯町の行屋というところに、おしょうにんさまと呼ばれる人の言い伝えがある。いつどこから来た人かはわからない。諸国を巡っていたが自らの行がゆきづまり、この地を選んで穴を掘り、そこへ身を入れたという。村の者は一軒ずつ交代で竹の筒を通して食べ物を差し入れたが、埋まってから二十一日目、それまで聞こえていた鈴の音がやんだ。下長磯ではおしょうにんさまを雨乞いの神として祀り、旱が続けば灯籠を上げて雨を願う。また上口では疱瘡の神として、子の疱瘡が軽く済むよう疱瘡棚をこしらえて供えるという。
原典より
灯籠をあげておまつりした(前橋市下長磯町)。—— 群馬県史 資料編 27(群馬県史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
群馬県史 資料編 27(群馬県史)
『群馬県史 資料編 27』は、群馬県の県史の資料編の一冊で、収めるのはその「第三章 伝説」である。伝説の定義と分類、『神道集』や近世の地誌から明治以降の郡村誌・伝説集に至る県内の調査の歩みを述べ、赤城と日光の神戦、赤堀道元の娘と木部姫の入水、文福茶釜、羊太夫、弘法伝説などを群馬の伝説の特色として論じる。続いて代表例を自然的・社会的・信仰的伝説の三つに分け、各地の口承と古記録を伝承地を添えて並べる。