跳ね上がった鋸と木と共に死んだ炭焼き
どんな伝承か
福島県大沼郡会津高田町での話。回答者の祖母の祖父にあたる人が、明神ヶ岳という山の裏山にこもって炭焼きをしていた。娘が父のところへ行くと、父が青い顔をして帰ってきて、「今とてもふしぎなことがあった。のこぎりがはねあがり、三尺も上の木の枝にひっかかったからやっと取ってきた。気もちが悪いから帰ってきたが、とても惜しい木だからもう一度行ってくる」と言って出かけた。いつまでも帰らないので探しに行くと、木と一緒にまくれて死んでいたという。それはお田植祭の次の日のことであり、以来お田植えの次の日は村休みになったのだそうである。その木は山の神様の惜しみの木だったのだろうと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)