神社の山の薪を取った教員の高熱
どんな伝承か
昭和二三年頃、長崎県松浦市今福町の飛島でのこと。島の小学校の男の先生が突然高熱を出し、どうしても下がらなかった。妻もひどく心配していた。調べてみると、先生は生徒たちを連れて神社のある山へ薪を取りに行き、たくさん運び出していたことがわかった。断りもせずに神木を持ち出したことを詫びて拝んでもらうと、熱は嘘のように下がった。語り手がちょうどその家へ出向いていたときのことで、帰る頃には先生が船着場まで見送ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。