オサ幡宮の桜を折った花屋の死
どんな伝承か
この八幡様は先祖代々の社で、オサ幡宮という。何でも昔の城跡だという。社の後ろの桜は吉野桜で、幹はもう枯れているが、太くなった枝に花が咲く。この桜の木の下には大きな箱が埋めてあるという。子供の頃、千葉から掘らせてくれと言ってきたが、祟りがあるといけないと父は断った。この桜の花を折って持ち帰った花屋が三、四人死んだと聞いている。花を折った人は手が曲がるが、家の人が取っても何ともない。親戚の神主が調べると樹齢は千四百年ほどだという。調査の人が細い金の棒を挿すと確かに箱のような物があったが、掘った人に祟ってはいけないと今も掘らずにいる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。